死発列車




でも私でよかったんだ……

今ここにいるのが娘たちや妻じゃなくて……
それだけが何よりの救いなんだ……



美神は内心諦めかけていた…そのため座席の下にある隙間から見える赤い灯に気がつかなかった…








[3両目]


木南が隙間から見えるのが爆弾かと思った瞬間であった…







ピンポーン…
「…只今2両目にて爆弾が発見されました…残り1つです……」


「……!?」
「…おいっ!ヤバいぞ!!」
「…とにかく早く探せ!!絶対負けんじゃねぇぞ!」


車内が徐々に騒がしくなっていった…







[2両目]


2両目で見つけたのは美倉であった…。
美倉は美神が泣く姿を静かに見ていた。



すると…




「……?」

視線をゆっくりと美神から座席の下へ向けていった…



美神の横で何かが赤く点滅しているのが視界に入る…



「…ねぇ…あれって…」

そう言うとすぐさま大原がやってきて、美倉が指差す方を見た。






「…………あれか!」

大原が座席の下のカバーを外す。

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