死発列車




「……うわぁああ!!!」

爆発した瞬間、眞加辺が倒れてきた。

軽い爆発だったとはいえ足元の扉の下に隠れていた爆弾の威力は恐ろしいものだった…。



爆発は扉の横に立っていた眞加辺に直撃し、眞加辺の左太ももに先ほどまではなかったパックリ開いた傷ができており、そこからとくとくと血が流れていた。また腕からも軽傷とはいえ皮をえぐりとったような傷が見られた。


辺りに飛び散った眞加辺の血を見て、皆が言葉を失う…



「…ぎゃぁああ!!死ぬ!!!!助けてくれぇえ!!痛てぇよー!!」

眞加辺が座り込みながら一生懸命腕を抑えている。
皆が近づき、その中でも30代ぐらいのメガネをかけた男性が彼の腕をすぐに掴んだ。

「……誰か冷たい水かお茶を持ってきてくれ!それとタオルかハンカチもだ!!」

男性はそう言うと、眞加辺の左腕を覆う服と太ももの服を傷口辺りだけを慎重に破いた。

その間、美倉は今朝買った飲料水があったことに気付き、すぐさま取り出して男性に渡した。
すると、男性は衣服と皮膚が一部くっついてしまっている左腕全体に水をかけた。

「…痛っ!」
傷口に冷たい水が染み込み眞加辺の表情が更に険しくなる…


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