歩きだした夏-きみに逢いたくて-
真奈が僕の歌を好きって言ってくれた。



この時の僕は顔がとてもにやけてたにちがいない。



「そうだ川口、お前は何歌うの??」



こいつとのカラオケも初めてだった。



よく誘われるけど断ってたからな。



「うぇい。男はもちろんあれだな。ムード歌謡」



・・・ごめん。聞いた僕が悪かったよ。



そんな話しをしてたらカラオケに着いた。



とりあえずフリータイムで良いか。
そうすれば真奈と少しでも長くいられるから。




部屋に入り席に着く。



真奈の隣に座ろうかな。
そうすればたくさん話しができるだろう。



でも・・・人見知りな僕にそんな大胆な事できるわけない。



どうせ圭織かゆきが横に座るんだろうな。



「うぇい。真奈ちゃんの隣GET!!!」



お前・・・頼むから死んでくれ・・・。



「おい、川口は離れろよ」



僕の精一杯の言葉。



しかし、川口がそんな話しを聞くはずもなく。



「それじゃ、川口ゆうた歌います♪」
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