光の射す方へ
理帆子はブランコをおりると、転がっていたガラス瓶を拾いあげた。




いっそ、死んでしまおうか。



ガラス瓶を地面に叩き付けると、一瞬でそれは粉々になった。



死ねば楽になれる・・・。



足元に散らばったガラス片の一つをヒョイと拾った。



神様、恨むよ。



こんな運命を与えたあなたを絶対に許さない。



ガラス片を持った右手に力を込める。次の瞬間、理帆子は左手首にそれを滑らせていた。



傷口から、じんわりと鮮血が溢れだす。



・・・こんなのじゃだめ。



理帆子はもう一度ガラス片を滑らせた。



二つの傷口から溢れだした血は、混ざり合って地面へと滴り落ちていく。



理帆子はそれを無表情に眺めていた。







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