光の射す方へ
順子は立ち上がって言った。



「帰ってちょうだい!」



菜美は何か言おうとして口を開いたが、とどまった。



「先生・・・」



理帆子が心配そうに菜美の顔を覗き込む。



「理帆子ちゃん・・・」



この子をこのまま置いて帰るのは心配だわ。



理帆子の不安でいっぱいの顔。



「早く出ていって!」



順子の声に急かされるように菜美は立ち上がった。



「―――それじゃあ、今日は失礼します」







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