光の射す方へ
2
「・・・ただいま」
返事がないと分かっていても、つい習慣として言ってしまう。
理帆子は足音をたてないように階段を上がると、自分の部屋に向かった。
今日父親は会社の上司と飲みに行っていて、家にいるのは母親の順子(じゅんこ)と理帆子の二人だけ。
理帆子はランドセルから取り出した日記を開いた。
毎日欠かさずつけているのだ。
日記には、理帆子のもう一つの人生が書き綴られている。
「今日はお父さんとお母さんと三人でトランプをして、美味しいご飯を食べて・・・」
日記の中では幸せでありたかった。
返事がないと分かっていても、つい習慣として言ってしまう。
理帆子は足音をたてないように階段を上がると、自分の部屋に向かった。
今日父親は会社の上司と飲みに行っていて、家にいるのは母親の順子(じゅんこ)と理帆子の二人だけ。
理帆子はランドセルから取り出した日記を開いた。
毎日欠かさずつけているのだ。
日記には、理帆子のもう一つの人生が書き綴られている。
「今日はお父さんとお母さんと三人でトランプをして、美味しいご飯を食べて・・・」
日記の中では幸せでありたかった。