光の射す方へ
ギッ、ギッ。



階段を上がってくる音がして、理帆子は驚いた。



もちろんこの足音が、父のものだということは分かる。



驚いたのは、父が二階に上がってくることだった。



父は絶対に二階には上がって来ない人だ。夫婦の寝室も一階に作っている。



一体二階に何の用があるというのだろう?




< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop