桃陽記
少女が目を覚ましたのは、真夜中の町外れ、空き地に生い茂る美しいグラジオラス畑の中であった。



顔立ちは本当に幼く、まだ五つにもなってはいないだろう。

















キョロキョロと辺りを見回し、自分の後ろに広がる寝静まった街をしばらく見つめた後、少女は何故か自分の正面に広がっていた広大な森へと向かった。
< 2 / 23 >

この作品をシェア

pagetop