7年
つまらない毎日
「ねえ、ゆき、まだゆっくりできるよね。」



夕方5時には、月に必ず3回、この台詞が私の口から出る言葉。



ゆきとは、もう小さい時からの親友で、私の全てを知っているといっても過言ではない。


「ねぇ、亜紀、毎日一緒の繰り返しだよねぇ。毎日、仕事して、家かえって、ご飯つくって、掃除して。」


「ほんとだねっ。ゆき、そろそろ、買い物して帰ろうかぁ。」



「亜紀、恋でもしたいよねぇ。」



「ゆき、そんな相手いないし、毎日精一杯でしょ」



恋かぁ…?



窓越しに外をのぞくと、青々とした、木々たちが夕暮れに染まっていく。



はぁっ…、恋ね…



ため息が漏れる。



「ゆき、そろそろ帰るよ。」



「亜紀、じゃあ、買い物して帰ろうかっ」



ゆきとのいつもの会話。




この時はまだ平和だった。


つまらない日々がきっと幸せなのかもしれない。



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