泣けないワタシ 〜最後のナミダ〜
ワタシは少し不機嫌そうな声で、電話にでた。


「はい、はい、今日はどうしたの?」


電話の向こうの女は泣きながら喋りハジメた・・・・・・


『これはかなり長くなるな・・・・』覚悟を決めて電話を耳にあてなおす。








何分位話したろうか?あまりの長さに最初の内容が思いだせない・・・・・・要約するとこうだ・・・・


彼氏が浮気していて別れたそうだ。ワタシなら二秒で用件が済む。そもそもいちいち恋人と別れた事を報告しない。



ワタシの愛すべき友人はこともあろうか、その男との出逢いから喋りハジメたのである。


聞く側のワタシにとってはちょっとした罰ゲームのようだった。


だけどワタシは知っている、美知子は数日後には復縁してる事を、浮気してようと、連絡がとれなくなろうと男が少し謝れば、許してしまうのだ。


まったく男側にとっては実に都合がよい女なのだ。家事も一通りそつなくこなし、容姿端麗、口うるさくない。ワタシが男なら直ぐにヨメにするだろう。



恋人よりヨメにしたいタイプである。まったくワタシと正反対であった。


罰ゲームが終了して、ワタシは求人情報誌とにらめっこが再開だ。


パラパラとページをめくりながら一つの求人に目がとまった・・・・・


「ワタシができるのかこの職種?」
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