涙は煌く虹の如く
「丈ちゃん…!?丈ちゃん……!?」
「脈…ない……」
「ン……!?」
美久も身を硬くした。
「ころ…しちまった…人を…俺、殺しちまった……どうしよう…」
「………」
「………」
耐え難い沈黙が続いた。
丈也は倒れている村杉の後頭部をボンヤリと見つめていた。
白髪混じりの髪の毛の一角から止め処もなく血が溢れている。
流れ続けている血は床の相当部を濡らしていた。
二人の少年少女はこれまで経験してきた日常とあまりにもかけ離れた現実に身を置いていることに恐怖を感じていた。
そしてこの状況をどうもすることができない無力感に苛まれていた。
「………」
「………」
沈黙がこの澱んだ空気に拍車をかけている。
すると、
「ズカズカズカ……」
乱暴な足音が聞こえてきた。
「ヤバイ……!?」
「ハッ……!?」
我に返る丈也と美久。
「あ、先生…!」
「てめぇ……!」
怒声と共に入ってきたのは二人の男だった。
言葉と風貌から察するに一人は村杉の秘書関係、もう一人はこのホテルの人間だろう。
「このクソガキゃあ…!」
二人が丈也の方へ突進してくる。
「うるさいっ!」
そう吠えると丈也は散乱している部屋から椅子を取り出し、
「ブウンッ……!」
「ボッゴォォッ…!」
力の限り男の頭部めがけフルスイングした。
「ガァァァァァッ…!」
「バダッ…」
右側の秘書と思しき男にクリーンヒットした
かなりの衝撃だったらしく男は倒れ痛みにもがいている。
「……ガキめ……!」
ホテルの男が怯んだ隙を狙い、
「こんな所で捕まってられねぇんだよぉっ!」
今度は左側から椅子をスイングさせた。
「ブウンッ……!」
「ボッゴォォッ…!」
「ブギャッ…!」
「ズドッ…!」
今度は男の右わき腹を捉えた。
痛みにのたうち回る男。
「脈…ない……」
「ン……!?」
美久も身を硬くした。
「ころ…しちまった…人を…俺、殺しちまった……どうしよう…」
「………」
「………」
耐え難い沈黙が続いた。
丈也は倒れている村杉の後頭部をボンヤリと見つめていた。
白髪混じりの髪の毛の一角から止め処もなく血が溢れている。
流れ続けている血は床の相当部を濡らしていた。
二人の少年少女はこれまで経験してきた日常とあまりにもかけ離れた現実に身を置いていることに恐怖を感じていた。
そしてこの状況をどうもすることができない無力感に苛まれていた。
「………」
「………」
沈黙がこの澱んだ空気に拍車をかけている。
すると、
「ズカズカズカ……」
乱暴な足音が聞こえてきた。
「ヤバイ……!?」
「ハッ……!?」
我に返る丈也と美久。
「あ、先生…!」
「てめぇ……!」
怒声と共に入ってきたのは二人の男だった。
言葉と風貌から察するに一人は村杉の秘書関係、もう一人はこのホテルの人間だろう。
「このクソガキゃあ…!」
二人が丈也の方へ突進してくる。
「うるさいっ!」
そう吠えると丈也は散乱している部屋から椅子を取り出し、
「ブウンッ……!」
「ボッゴォォッ…!」
力の限り男の頭部めがけフルスイングした。
「ガァァァァァッ…!」
「バダッ…」
右側の秘書と思しき男にクリーンヒットした
かなりの衝撃だったらしく男は倒れ痛みにもがいている。
「……ガキめ……!」
ホテルの男が怯んだ隙を狙い、
「こんな所で捕まってられねぇんだよぉっ!」
今度は左側から椅子をスイングさせた。
「ブウンッ……!」
「ボッゴォォッ…!」
「ブギャッ…!」
「ズドッ…!」
今度は男の右わき腹を捉えた。
痛みにのたうち回る男。