涙は煌く虹の如く
「クッ…!」
その刹那に丈也は手早く着ている服を脱いだ。
そして、
「美久、着なよ」
と言って美久の下へ優しく放った。
「丈ちゃんは…?」
「俺はこいつの服をいただく。とにかくここを出よう!」
「うん…」
「サッ……」
丈也は手早く男から服を取り上げると美久を気遣い、別方向を向いて着替え始めた。
「タタタタッ…」
1階まで降りてきた丈也と美久。
二人ともダブダブしたスーツ姿だ。
「………」
慎重に辺りの様子を窺う丈也。
しかし、
「ウーーーーーッ…!」
けたたましいパトカーのサイレン音が飛び込んできた。
「マジかよ…!」
パトカーの赤いサイレンも視野に入ってきた。
「丈ちゃん……」
不安そうな表情の美久。
「だ…大丈夫…」
そう言って美久の方を見た丈也。
「……!」
美久が着ていた上着から鍵が一つ見えた。
鍵束がまだ残っていたのだ。
「屋上だ、屋上へ…!」
「……!?」
丈也の叫びの意味するところを美久は理解できなかった。
「急ごう!」
「タタタタッ…!」
二人は踵を返して階段へと向かった。
その刹那に丈也は手早く着ている服を脱いだ。
そして、
「美久、着なよ」
と言って美久の下へ優しく放った。
「丈ちゃんは…?」
「俺はこいつの服をいただく。とにかくここを出よう!」
「うん…」
「サッ……」
丈也は手早く男から服を取り上げると美久を気遣い、別方向を向いて着替え始めた。
「タタタタッ…」
1階まで降りてきた丈也と美久。
二人ともダブダブしたスーツ姿だ。
「………」
慎重に辺りの様子を窺う丈也。
しかし、
「ウーーーーーッ…!」
けたたましいパトカーのサイレン音が飛び込んできた。
「マジかよ…!」
パトカーの赤いサイレンも視野に入ってきた。
「丈ちゃん……」
不安そうな表情の美久。
「だ…大丈夫…」
そう言って美久の方を見た丈也。
「……!」
美久が着ていた上着から鍵が一つ見えた。
鍵束がまだ残っていたのだ。
「屋上だ、屋上へ…!」
「……!?」
丈也の叫びの意味するところを美久は理解できなかった。
「急ごう!」
「タタタタッ…!」
二人は踵を返して階段へと向かった。