涙は煌く虹の如く
人影の正体は丈也の両親。
そして美久だった。
(美久は家に引き取られることになったんだ…!)


「タタタタッ…!」
丈也を認めると美久は他には目もくれずに走ってきた。
立ち止まり両手を広げる丈也。
「ヒシッ…」
丈也の胸に美久が飛び込んでくる。
「………」
「………」
二人はしばらくそのまま抱き合っていた。
「美久……」
力の限り美久を抱きしめる。
その身体の重さを丈也はいとおしく思った。


「丈ちゃん……」
顔を上げる美久。
その顔は涙でクシャクシャだったが、嬉しさを発散させていた。
「あ……!?」
美久の顔を見つめる丈也。
木漏れ日が美久を照らしている。


(君の涙に虹が煌いていた…)




~完~
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