福笑い
「それはだな、人間は感受性豊かな生きものらしく自分が人と違うことを恐れる性質があるらしい。特に自分だけが人より劣っていることを嫌うようだ。つまらない争いを起こさないために皆平等に作らなければならないのだ。」



責任者の諭すような言葉に作業員達は顔をしかめた。



「はー、人間って面倒くせーなー。」




ぼやきながらもまたマニュアル通りに仕事が進められた。



顔は卵型で、目は大きく、鼻筋を通して、口は小さめに・・・っと。




ふとあの福笑いの顔を思い出す。




自然と笑みがこぼれた。
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