23時の情熱
地元での旧友たちとの再会も済ませ、連休は終わりを告げようとしていた。



連休の間、玄さんからの連絡は一度も無かった。
気にはなったがなるべく考えない様にしていた。


逢えない時間は余計な妄想を掻き立てるだけ。


だったら考える時間が無ければいい。

いつも誰かと一緒にいた。遅くまで友人とカラオケで過ごし、昼間は父の仕事先に顔を出した。父は自営で中古車の販売をしているので、お客がいない時は仕事中にも関わらず大いに構ってくれた。





それでも、一人になると思い浮かぶのは玄さんの顔。



玄さんが初めてだ。
私、こんなに誰かを好きになれるんだ。




そんな自分に気がつく事ができた。




玄さんのおかげだな。




また逢いたくなっちゃったよ、玄さん。





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