23時の情熱
きつく目を瞑った。





「…瞳子。起きてるんか」



玄さんの手が私の肩に触れた。




「瞳子」







「……触んないで」
肩に触れた手に力が入る。



「瞳子って。……泣いとるんか」




「……触んないでってば!」
起き上がり手を思い切り払いのけた。








もう無理だった。


涙も、沸き上がる怒りも、止められなかった。










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