23時の情熱
翌日目が覚めると、外の雨の音がひどかった。




なかなか寝付けなかったけれど、明け方少しだけ微睡んだ。


身体を起こし、裸のままだった事に気付く。







肌に直接触れるシーツの感触が、夕べの出来事を生々しく思い起こさせる。






嘘みたい。



あんなに楽しかったのに、一瞬にして暗闇の中に突き落とされた。






思い出し、また涙が流れる。




戻りたい。

昨日の夜の、あの楽しかった時間に。





あの名前を聴く前に。







この日は会社を休んだ。


玄さんと顔を合わせるのが怖かった。









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