23時の情熱
総務課と人事課の親睦会は、吉永課長の音頭で賑やかに始まった。
黒田美穂が私にビールを注ぎながら言った。
「よかった、今村さん来てくれて。ちょっと心配だったの。喋った事無い人ばっかりだし…」
「私も。あんまり知らない人ばっかりだから、なんかもう帰りたい、って感じ」私が肩を竦めて小声で言うと、彼女は笑った。
その笑顔の屈託の無さに、ドキッとした。
この笑顔が、仕事中、いつも玄さんの視界の中にある。
この声が、仕事中、いつも玄さんの傍にある。
急に、不安になった。
女の私から見ても、彼女は可愛い。
小柄で童顔。鈴の転がる様な高い声。
私とは、まるで違うタイプ。
その時、襖が大きく開いた。
「なんやぁ、待っといてくれへんかったんかぁ〜?」
玄さんがコートを肩にかけ、息を切らして入ってきた。
黒田美穂が私にビールを注ぎながら言った。
「よかった、今村さん来てくれて。ちょっと心配だったの。喋った事無い人ばっかりだし…」
「私も。あんまり知らない人ばっかりだから、なんかもう帰りたい、って感じ」私が肩を竦めて小声で言うと、彼女は笑った。
その笑顔の屈託の無さに、ドキッとした。
この笑顔が、仕事中、いつも玄さんの視界の中にある。
この声が、仕事中、いつも玄さんの傍にある。
急に、不安になった。
女の私から見ても、彼女は可愛い。
小柄で童顔。鈴の転がる様な高い声。
私とは、まるで違うタイプ。
その時、襖が大きく開いた。
「なんやぁ、待っといてくれへんかったんかぁ〜?」
玄さんがコートを肩にかけ、息を切らして入ってきた。