23時の情熱
沈んだ気持ちのまま終業の時間になり、気持ちを切り替えたくて一人で屋上に上がった。
11月に入ったばかりだというのに、今日の風は特に冷たい。夕陽ももうすっかり沈み、辺りのビルはほとんどがシルエットと化し、夜景という名に変わっていた。
結局、一日中玄さんの事を考えていた。
仕事にまで影響を及ぼす程誰かの事を想うなんて、初めてだったかも知れない。
小さい頃からこうだった。
人のモノがすぐに欲しくなる。
高校の時、妹の彼氏に手を出した。私がちょっとちょっかいを出すとその男はすぐ私に靡いた。
別に好きになった訳でも無かったので、つき合ったりはしなかったが、妹には泣いて責められた。
それ以来妹は私と距離を置くようになり、私はというとそれだけの男だったのだとアッサリしたもので、罪悪感もたいして感じていなかった。
11月に入ったばかりだというのに、今日の風は特に冷たい。夕陽ももうすっかり沈み、辺りのビルはほとんどがシルエットと化し、夜景という名に変わっていた。
結局、一日中玄さんの事を考えていた。
仕事にまで影響を及ぼす程誰かの事を想うなんて、初めてだったかも知れない。
小さい頃からこうだった。
人のモノがすぐに欲しくなる。
高校の時、妹の彼氏に手を出した。私がちょっとちょっかいを出すとその男はすぐ私に靡いた。
別に好きになった訳でも無かったので、つき合ったりはしなかったが、妹には泣いて責められた。
それ以来妹は私と距離を置くようになり、私はというとそれだけの男だったのだとアッサリしたもので、罪悪感もたいして感じていなかった。