23時の情熱
「……朝っぱらから元気やなぁ」



ニヤつく玄さんの首筋に舌を這わす。

「……ふっ………」

玄さんの息遣いの変化に気づき、エスカレートする私の舌。


2週間、会えなくなるという焦りもあったかもしれない。
あと1度、彼に抱かれたかった。








ブーー、ブーー、ブーー、ブーー、ブー………




高揚する私の耳に、テーブルの上の振動音が流れ込む。
瞬間、玄さんの動きも止まった。



玄さんを見ると、目だけが振動の元を見つめていた。



だが動きが止まったのはその一瞬だけで、再び彼の手は私の背中を撫で回しだした。



「……玄さん電話…」


「出らんでエエ。ほっとけ」


「…でも……」

両手は私の胸に移動し、無表情のまま胸の形が変わる程強く揉み上げる。


「ほっとけ」


もう一度そう言って、鷲掴みした胸に舌を伸ばした。

少し身体を持ち上げ、玄さんの顔の前に胸が来るように上体をずらすと、彼は夢中でしゃぶりついてきた。



振動は、まだ鳴り止まない。

奥さんから電話だよ、玄さん――――。

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