23時の情熱
テーブルには私と玄さんの二人だけ。



「こんな飲み方、玄さんらしくないよぉ?」

「えーのえーの、たまには。なぁ、ありさおまえ何カップ?Eぐらいか?」

呂律が怪しい。

ドレスの胸元を引っ張り覗き込こもうとするので、私は慌てて玄さんの指を押さえた。

「ざ〜んねん、違います。はい、もう終わり!」

作り笑いで彼の手を引き離す。

「もー新山さん、ちょっと飲みすぎですよ。それにウチではお触りはお断り!」

見かねたママが助け船を出してくれた。本当にこんな玄さん、初めて。


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