23時の情熱
玄さんのいない2週間、私達のこれからの事を考えた。
玄さんの口から聴いたわけではないが、きっと彼は家族を捨てる事は出来ない。
それでもいいと思っていた。
彼の家庭を壊してまで添い遂げたくはなかった。
悲しむのは奥さんだけじゃない。
そう、子供達はそれこそ何も悪くない。
写真で見た、あの子たちにまで悲しい想いをさせたくなかった。
―――それなら、どうしたいのか
私は、どうしたいのか。
答えは出ていた。
答えはひとつしかなかった。
自分でもわかっていたのに、その答えから目を背けていた。
現実を、みたくなかったのだ。
――――玄さんの事だって、傷つけている
もう、この状況に耐えられそうもないと思った。
新しい恋をしようと思った。