23時の情熱
玄さんが海外出張に出て、1週間が過ぎた。
その間玄さんからの連絡は1度だけ。
食事が合わず、日本食が恋しいと愚痴を溢していた。
電話越しの声を聴きながら、どんどん気持ちが落ち込んでいくのが分かる。それでも声で悟られないように、明るく努めた。
あと1週間。
あと1週間で、彼に告げなければならない。
玄さんはどんな顔をするだろう。
きっと何も言わずに同意するに違いない。
考え直してくれ、という言葉を期待しているわけではないが、アッサリ承諾されても寂しい気分になるのは目に見えていた。
―――未練タラタラ。
男なんて吐いて棄てる程いる。
何も玄さんじゃなくても、彼氏ぐらいすぐできる。
そう、思い込もうとしていた。
自分に言い聞かせていた。
その間玄さんからの連絡は1度だけ。
食事が合わず、日本食が恋しいと愚痴を溢していた。
電話越しの声を聴きながら、どんどん気持ちが落ち込んでいくのが分かる。それでも声で悟られないように、明るく努めた。
あと1週間。
あと1週間で、彼に告げなければならない。
玄さんはどんな顔をするだろう。
きっと何も言わずに同意するに違いない。
考え直してくれ、という言葉を期待しているわけではないが、アッサリ承諾されても寂しい気分になるのは目に見えていた。
―――未練タラタラ。
男なんて吐いて棄てる程いる。
何も玄さんじゃなくても、彼氏ぐらいすぐできる。
そう、思い込もうとしていた。
自分に言い聞かせていた。