23時の情熱
一線
大学4年生になった私は就職活動が忙しくなり、キャバクラのバイトは休みがちになっていた。
それでも玄さんはこまめに連絡をくれた。
彼の仕事終わりに合わせて食事に連れて行ってくれたりもした。
大学の男の子たちなんかとは違う、オトナなデート。
高いレストランに行ったり、自分ではちょっと買えない高価なブランドのバッグや腕時計を買ってくれたり。
嬉しかったけれど、複雑でもあった。
…これじゃあまるで愛人みたい………。
お金持ちの、いわゆる“パパ”がいる女のコの心境だった。