23時の情熱
明日は週末に合わせて家族が大阪から彼に会いに来るらしい。

そう聞かされて、一気に落ち込んだ。



うっとうしそうな顔で話す彼は、楽しみにしている様にも見えた。

うっとうしそうな顔はきっと私に気をつかってのポーズ。

私はそんな事気にも止めてない、という顔をする。

「じゃあ今日は早く帰ってウチん中掃除しなきゃねっ」
心にもない事を言ってみる。


「そやな。まだ終電も間に合うし、今日は駅まで送ったるわ」


強がりは彼には伝わらない。

やっぱり帰っちゃうの…。
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