23時の情熱
午前1時30分。

バイト上がりに玄さんに連れて行かれたのは、カウンターのある小さなバーだった。



「ホンマはもっとちゃんとしたフレンチかなんかに連れてったげたいねんけどなぁ…。ま、今日はもうこんな時間やし、今度連れてったるわ」

グラスを傾けて微笑む彼。


「そんな贅沢いらないから、今度はどっかお食事つれてって?私、居酒屋とかも好きだし。玄さんと行けるならどこでもいい」



けっこう本音。



「そぉか〜?真に受けてまうぞ?ホンマ営業上手やなぁ、おまえは」

笑いながら軽く受け流す玄さん。



違うよ。
営業なんかじゃない。


ホントに玄さんとなら、どこでもいいって思ってる。







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