23時の情熱
――でも、人生いい事ばかりは続かない。




金曜の夜だった。

いつもの様に二人で食事をした後、
「ウチ来るか?泊まってもええで」
と言う彼からの一言。


ちょっと迷った。


彼には家族がいる。
離れて暮らしているとはいえ、家の中にはきっとその家族の存在を誇示する様なモノがある筈だった。


いつもはそんな事を私に感じさせないようにしてくれているだけに、不安になった。

私がそれを見た時に、冷静でいられるか自信が無かったから。






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