23時の情熱
プッと吹き出して、
「ないわ、んなもん。あるわけないやろ。」
コツン、と軽く頭をぶつけてくる。
「……奥さんも?」
ため息混じりに、
「あっちにおる頃からもう長いことヤってへんわ。何言い出すねん、おまえは」
目が合う。
呆れた、という顔。
その時床に置いていた左手の指先に、何かが触れた。ソファーの下に、薄い紙の様な物が挟まっている。
彼に気づかれないように少しだけ引っ張り出し、顔だけを指先に向けて見た。
それは写真入りのハガキだった。
「ないわ、んなもん。あるわけないやろ。」
コツン、と軽く頭をぶつけてくる。
「……奥さんも?」
ため息混じりに、
「あっちにおる頃からもう長いことヤってへんわ。何言い出すねん、おまえは」
目が合う。
呆れた、という顔。
その時床に置いていた左手の指先に、何かが触れた。ソファーの下に、薄い紙の様な物が挟まっている。
彼に気づかれないように少しだけ引っ張り出し、顔だけを指先に向けて見た。
それは写真入りのハガキだった。