23時の情熱
大学からの帰り道、地下鉄に揺られながら玄さんにメールを送った。


『お盆休みはいつから?
なんか予定入ってる?』



聞くのが怖かった。
でも、知っておきたかった。送信ボタンを押す指が長い時間をかけて迷った。

彼まだ仕事中。メールの返事はすぐには期待していない。




「おう、瞳子。おまえも今帰りか?」

駅に着き、ホームに降りた途端、声を掛けられた。
元セフレの修(シュウ)。

雑踏の中、久しぶりの修の声に下半身が疼いた気がした。


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