23時の情熱
19時。
美味しいと評判のラーメン屋さん。豚骨スープが美味しかった。
食事はいつも玄さんのおごり。だからせめてものお礼のつもりで、今日はプレゼントを持ってきた。
ラーメン屋さんで渡すのはさすがにちょっと気がひけたので、帰りにでも手渡すつもりだった。
地下鉄に向かう途中、歩道橋の上で立ち止まる。
「ここでいいよ、玄さん」
「?なんでや。駅まで送るで」
「今日はこれ渡したかっただけだから。…はい、これ誕生日プレゼント」
「嘘やん。………ホンマに?」