23時の情熱
ラッピングされた赤い紙袋を受け取り、
「ビックリした。瞳子から貰えるなんて思てへんかった…覚えててくれたんやぁ」


目頭がジン、と熱くなる。

「めっちゃ嬉しい。ありがとぉ」


「…使ってくれるかわかんないけど」



3日早い誕生日プレゼント。

胸が熱い。

渡せてよかった。
家族よりも、誰よりも早く、渡したかった。


「大事にするよ」

もちろんプレゼントのこと。


それなのに、私に向かって言ってくれたように聴こえた。

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