23時の情熱
季節はすっかり冬。


街がどんどんクリスマスに向けて彩られ、大学の構内も落ち葉に埋もれて寒色だらけの景色に衣替えした。

カップルたちが目立つ。

悪友の渚は新しい彼氏と温泉旅行の準備に忙しそうだ。



玄さんに出逢って1年以上たつ。特に進展があるわけじゃないが、私はそれなりに満足していた。

週に2、3度逢うサイクルは相変わらずだし、玄さんもこの時期は忙しそうで、それでもこまめに連絡をくれた。
二人の時間が合わない最近は、仕事が遅くなると私の部屋にまで逢いに来てくれた。
そのまま1泊して私の部屋から出勤する事もあった。


こんな関係でも、満足していた。

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