23時の情熱
何も出来ずそのまま眠った。

翌朝目を覚ますと身体のダルさはひどくなっていた。
ズルズルと這うように起き出し、冷たい水を喉に流し込む。少しだけ頭はすっきりしたが、寒気は一層ひどくなった。

「なんか薬……」

熱を計ると38度6分。
まだ上がりそうな体温とは逆に、気持ちは更に落ち込んだ。


数字で見て、改めてまた心細さが増していく。

……見なきゃよかった。
何か食べないと……。


「……キツイよぉ……」


身体がダルくて仕方がない。一人暮らしはこういう時に辛い。

急に家族が恋しくなった。

家族の声が聞きたくて携帯を手にとろうとしたその時、携帯が震え出した。


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