23時の情熱
春―――
大学を無事卒業し、私は晴れて社会人になった。
勉強から解放され、友人たちと毎日の様に呑み明かし、就職準備だと買い物に明け暮れた。
やっと本当の大人の仲間入りが出来た様でこれからが大変だというのに皆が浮かれていた。
「…浮かれ過ぎやろ」
玄さんが釘を刺す。
「今ぐらい浮かれてもいいじゃない。今から大変だってことはみんなわかってるんだから」
言い返してみるが、さすがにそろそろ頭を切り替えねば、とは思っていた。
玄さんが就職祝いだと食事に連れて来てくれた。
慣れないフレンチに悪戦苦闘していると、玄さんの手に違和感を感じた。
その違和感の原因はすぐにわかった。
原因は、彼の指に光っていた。
大学を無事卒業し、私は晴れて社会人になった。
勉強から解放され、友人たちと毎日の様に呑み明かし、就職準備だと買い物に明け暮れた。
やっと本当の大人の仲間入りが出来た様でこれからが大変だというのに皆が浮かれていた。
「…浮かれ過ぎやろ」
玄さんが釘を刺す。
「今ぐらい浮かれてもいいじゃない。今から大変だってことはみんなわかってるんだから」
言い返してみるが、さすがにそろそろ頭を切り替えねば、とは思っていた。
玄さんが就職祝いだと食事に連れて来てくれた。
慣れないフレンチに悪戦苦闘していると、玄さんの手に違和感を感じた。
その違和感の原因はすぐにわかった。
原因は、彼の指に光っていた。