23時の情熱
大きな窓から見える夜景と広いバスタブには、二人の息遣いだけが響く。


明るい浴室に泡風呂の泡が僅かに舞う。



欲情していた。


動く度に飛び散る泡や夜景の美しさ、ホテルの浴室という雰囲気に煽られた訳じゃない。


さっき見た、指輪が私に火を着けていた。


座ったまま彼に跨がり、苦しいほど胸を押しつける。
夢中でしゃぶりつく玄さんの頭を抱きながら舌の動きに見入る。



愛しい。


あなたが愛しくて堪らない。






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