23時の情熱
私の背中に回されていた彼の手が、腰に移動してそのまま腰を持ち上げる。
立ち上がった私を見上げながら、茂みを掻き分け顔を埋めた。


「!……っん……ああぁっ」

身体がビクンと小さく跳ねる。つい、甘い声がでる。

彼の頭が小刻みに上下に動く。尖らせた舌がチロチロと蛇の様に動くのが見えた。


「やっ……あん…はっ……あぁ………んっん…」


「…自分…から腰…動いてるやんか……気持ちエエんやろ…?…瞳子……」
舌を離さず彼が呟く。


こうなると、もう、本能。

本能の、赴くままに。

本能には、抗えない。







あの指輪、捨てちゃえばよかった。



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