僕はネックレス。
王子のそれは、
確かに跡形もなく
いつもあるべき場所から
忽然と姿を消している。
まるで雑巾を絞った様に
首は引き千切れ、
傷口からは脈に合わせ
赤黒い血が動脈から吹き出ている。
王子の体は律動を繰り返し、
ベッドがそれに合わせ微かに軋む。
じいやの顔面は一瞬で蒼白した。
鼓動は今までにないほど速い。
「たっ……大変だ……
一刻も早く王に知らせねば…!
そ…その前に
救護班だ!
おい!
至急救護班をよこせーー!」
じいやはふらつきながらも
部屋から飛び出し、
叫びながら王室へと走った。