僕はネックレス。

a necklace


「な……何故だ!?」







「何故立っている!?」




王子は確かに、
自分の二本の足で立ち上がっている。

相変わらず首からは
血が滴っていて、
その上ではハトが
血だらけになりながら
肉を千切ったり、頭を突っ込んだりして
ミミズの様な物を引っ張り出しているのだ。


ハトはそれらの内のニ本を咥え、
嘴と足を使って器用に結んだ。

そしてそれを
ぐいっと勢いよく上に引っ張る。

すると、それに応えるように
王子の右足が半歩ほど前に動く。


ハトは何度も同じ動作を繰り返す。

王子もそれに合わせて
両足が正確に反応する。


「……歩いてる…!」


医師の一人がつぶやき、その場にへたりこんだ。


どうやらハトは
神経を的確に刺激し、
王子の身体の筋肉を伸縮させ
動かしているようだ。




まるで


操り人形(マリオ)の様にーー。









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