友達
別れたいわけじゃないでしょ？それに、彼女いるの知ってるもん!気にしてないよ｣


彼は何も言わなかった。
きっと涙がこぼれているのは分かっていたんだと思う。
ずっと抱きしめていてくれた。


｢そろそろ中入ろっか。
夏でも、夜は少し冷えるね〜｣

二人で部屋に入り、テレビをみた。

｢今日は?泊まる?｣
｢うん。お前がいいなら｣
｢いいよ｣


｢これから・・・これから来る時はちゃんと彼女にアリバイしないとね。｣

彼をつなぎ止めているには、都合のいい女でいるしかなかった。それでも、彼と一緒にいたかった。
もぅ一人でいたくなかったから。


今以上の感情を彼にもたないようにしよぅ。欲張りになっちゃダメだ。求めたところで返ってくる相手じゃないんだから。
その時、その時が楽しければいいんだ。
考えても仕方ないんだから。


そう、いつも自分にいい聞かせて彼に会う日々が続いた。
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表紙・目次

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