【短】藤目くんの秘密★
「冗談ですー。
コンビニ過ぎたらへんだけど」
ぷくっと膨れながらそう言うと、安心したようにヒロが言った。
『なら大丈夫だな。
今から俺ん家来ねぇ?お前と勝負したい奴いんだけど』
「っ、行く!」
久々に現れた挑戦者に、思わず胸が躍る。
一人でゲームするのも、もちろん楽しいけど
みんなで勝負するのはまた違った楽しさがあって、あたしはそれも大好きなんだ。
普段だったら右へ曲がる道を左に曲がって、ヒロの家へと目的地を変える。
…そーだ、お菓子でも買ってこうかな。
ここからヒロん家にいく途中に、たしかケーキ屋さんがあったはず。
そこへ寄ることを決めてから、あたしは軽い足取りで歩き出した。