【短】藤目くんの秘密★



「冗談ですー。

コンビニ過ぎたらへんだけど」

ぷくっと膨れながらそう言うと、安心したようにヒロが言った。

『なら大丈夫だな。

今から俺ん家来ねぇ?お前と勝負したい奴いんだけど』

「っ、行く!」



久々に現れた挑戦者に、思わず胸が躍る。

一人でゲームするのも、もちろん楽しいけど

みんなで勝負するのはまた違った楽しさがあって、あたしはそれも大好きなんだ。



普段だったら右へ曲がる道を左に曲がって、ヒロの家へと目的地を変える。


…そーだ、お菓子でも買ってこうかな。


ここからヒロん家にいく途中に、たしかケーキ屋さんがあったはず。

そこへ寄ることを決めてから、あたしは軽い足取りで歩き出した。



< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop