今君に伝えたい事...
「で……でも…将に彼女がいないか聞いてたじゃ」
「恥ずかしかったから…つい…」
俺は堪らなく嬉しくなり、振り返ってついさっきとは違い、小さな彼女を優しく抱き締めた。
「……大ちゃんは奈々を好きなんだと思ってた」
「………」
「いつも奈々のこと見てたから…」
「バーカ」
俺は本日2度目のデコピンをした。
「い…痛くない!」
「いつも滝沢の隣りにいる…お前を見てた」
優しくしたデコピンが痛くない事を喜んでいる彼女は再び笑顔になった。
「…大好きだよ…大ちゃん」
俺を見上げて顔を赤くする杉浦は本当に愛おしかった。
窓の外から差し込む橙色の光りが、俺達二人を包みこんだ。