今君に伝えたい事...
どのくらい時間が過ぎたのだろう。
俺は、そんな事を考えながらまだグラウンドにいた。
もう体力も回復している。
しかし、もう少しだけこうしていたかったのだ。
カッカッカッ
暫くするとスパイクの音が近づいてきた。
「将…もう起きるよ」
将だと思った俺は、相手を見る事なく答えた。
「お疲れ様です、廣田先輩!」
その声の主に俺は反応した。
「…杉浦、なんでここに?」
目の前に立っていたのは杉浦だった。
「はい、アクエリ持ってきたよ」
微笑みながら手渡してくれたアクエリアスはとても冷たかった。
「…サンキュー」
何故彼女が此処にいるのかという疑問もあったが、とりあえず俺はアクエリを喉に流し込んだ。
「…で、何で今頃ここに?」
「自主トレかな」
俺が尋ねると軽くストレッチをしながら彼女は答えた。