今君に伝えたい事...
俺の掛け声と同時に、杉浦は勢いよく駆け出した。
ほんの短い距離だが彼女はスピードを落とさない。
ライトに照らされる杉浦のスタートダッシュは力強かった。
「…びみょ〜だなぁ」
つい見とれてしまった俺は、杉浦の声で意識がはっきりした。
「なかなか良かったと思うけどなぁ」
杉浦は軽く息切れしていた。
「全然ダメだよ…全然」
「フォームは綺麗だけど」
俺自身、彼女の走りの何処が悪いのか判らなかった。
「もっと勢いつけたいんだけどなぁ〜…よし!もう一回!!!」
すると杉浦は早速スタートラインに立った。
俺達は時間を忘れて自主トレに励んだ。