今君に伝えたい事...

帰り道の事だった。


「大ちゃーん!!」

そう叫びながら俺達の元へ来たのは杉浦だった。


「どした?」


「陸上部もここの銭湯なの。それで…さっきのお礼!」


そう言って彼女が差し出したのがメロンパンだった。



「メロンパン嫌い??」


「ううん。好きだよ」


丁度腹も減ってたし俺は最高に嬉しかった。



「さっきのお礼って??」

隣りにいる将がずっと聞いてきていたが俺の耳には届かない。


「ありがとな」


「ううん!」




「ねぇねぇ杉浦ちゃん」

やっと俺の耳に将の声が聞こえてきた。


「夜、みんなで星見ない?今日の空かなり澄んでるし」


いいのか?監督にバレたりしたら最期のような…



「うん!じゃあもう一人女の子連れてくよ!!」


杉浦のこんな楽しそうな表情みたら俺の迷いなんて吹き飛んだ。



「大輔来るよな?」


「あぁ」


将に感謝せねば。
< 83 / 112 >

この作品をシェア

pagetop