今君に伝えたい事...

「あの日の事もいつか思い出すのか?」


俺は言葉が出なくなった。



「……お前がまた苦しむ姿を見るのが一番辛いんだよ」


「………俺…今まで亜紀から逃げてきた」

二人の間に少しだけ沈黙が流れた。


「だから…ちゃんと向き合うんだ。……亜紀の死とも」




「…大輔が杉浦ちゃんに出来る…最後の事なんだな」

将はため息をつきながら言った。



「…一度田舎に帰ろうと思う」


「わかった。……苦しくなったら直ぐ言えよ」


「ありがとうな」


俺達は二人揃ってビールを飲んだ。




「実はな…俺のトコにも杉浦ちゃん来たんだ」


「えっ?」


「大輔をよろしくってさ!お前心配されてたぞ」


俺は目頭が急に熱くなったが必死に堪えた。



「それから…おめでとうって言ってくれた。本物の杉浦ちゃんだったんだな」


「…あぁ」
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