恋の行方


数時間後、私は自室のベッドにダイブしていた。


今しがた来栖さんがやっと帰ってくれた事で、どっと疲れていたから。

だって来栖さんてば最初から最後まで意地悪だったんだから。

『ここ間違ってるよ』

『どうしてわからないの?』

『もう一回最初から説明した方がいいかな?』

なんて嫌味っぽく言われる度に、私は小さくなって『ごめんなさい』って謝ってたんだよ!?

勉強を教えてもらうようになってからは、優しくて意外とお兄ちゃんに似ているかもしれないと思ってたのに。
こんなの詐欺だよ!

あの品のいい王子様はどこに行ったの!?
お願いだから帰って来て!


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