恋の行方


「どこに行ってたの?」
「…ちょっとな」

そう言って言葉を濁すお兄ちゃんにあからさまに不満な態度をとる。

「ちょっとってなに?今日は来栖さんが来る日だったのに」

だって今までこんな事なかったじゃない。

「伝言はしただろ」
「伝言すればそれでいいんだ?…なにそれ、もういいっ!」

あまりにも素っ気無い言い方にムッとした私は叫んで部屋に駆け戻った。


どうして!?あんなのお兄ちゃんじゃないよ。
どこに行ってたかくらいいつもならちゃんと言うじゃない!
お兄ちゃんのバカっ!!

手近にあったクッションを壁に投げつけたら微かに物がぶつかった音がして床にストンと落ちた。

ふと来栖さんの言葉が過ぎる。

『いい加減、兄貴離れしたほうがいいと思うけど』

その言葉が何度も何度もリピートしてた。


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