恋の行方
「ど、どうして…」
「今日は、図書館にでも行こうかと思って」
それは、いつも見ていた王子様スマイル。
でもその笑顔が恐ろしく感じるのは気のせいだろうか。
「どうぞ、ご勝手に」
引きつりそうになる顔をどうにか引き締めて、そう返した。
「なに言ってるの。澪ちゃんが来ないと意味ないよ。勉強しに行くんだから」
さも当然でしょというような言い方に、眩暈を起こしそうだった。
「でもっ、今日は勉強する日じゃ…」
「あれ?俺に逆らえるの?」
さらに眩暈を起こしそうになる自分を奮い立たせ、それでも大人しく来栖さんに従い、「準備します」と従順に答えてた。
満足そうに頷く来栖さんを恨めしく思いながら。