恋の行方


片道30分ほどの図書館。


館内にはちらほらと、何かしらの本を探して本棚を見つめている人達がいた。

土曜日でも図書館っていうのはこの程度の人口密度なのだろうかと考えながら、備え付けの机に来栖さんと隣り合って座った。

私は公共の図書館にはあんまり来た事がない。
本を借りる時は、学校の図書室で事足りてしまうのが現状だから。


「澪ちゃん。今日は数学を勉強しようか」
「えっ?でも…」
「数学も成績下がってたんでしょ?」

痛いところを突かれた。
確かに数学も成績が下がってはいる。


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