恋の行方


出掛けた先で、お兄ちゃんと来栖さんを見かけてしまったから。
2人一緒にいて、しかも2人の間には私の知らない綺麗な女の人。
どうなってるの?
お兄ちゃんの彼女?それとも…来栖さん?


歩みを止めて呆然と見つめていると、女の人が口を開いてそれに対して楽しそうに2人が笑っていた。

心が張り裂けそうで、苦しくて息が出来ない。
なんだか目頭が熱い。でも、泣きたくない。


来栖さんは私との約束よりあっちが大切だったんだ。
お兄ちゃんだって、今日もバイトだってメールしたじゃない。

なんだ…そっか…やっぱり私、お兄ちゃんに避けられてた?
この1週間だってバイトだって言ってたけど、本当かどうかわからないもの。
今までバイトで帰れないなんて事がなかったのを思うと嘘だって疑ってしまう。

来栖さんも、月曜日から昨日まで家に現れては、私にみっちり勉強させたくせに、今日に限って用事が出来たなんて…絶対って言ったのに。


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